我が家の冷凍庫には常に冷凍パスタがストックされている。袋の表示通りに電子レンジで加熱すれば、瞬く間に一食が完成するのだから便利な世の中だ。しかし……

冷凍パスタのパッケージを眺めていて、毎回ふと思うことがある。多くの商品には、電子レンジでの加熱時間と並んで「フライパン調理」の方法も記載されているのだ。

あれって、実際にやってる人いるの? 冷凍パスタのメリットほぼ消滅してない?

・長年の疑問

ほとんどの冷凍パスタには、パッケージの裏面に電子レンジの加熱時間が書かれている。私(あひるねこ)はこれまでの冷凍パスタ人生において、レンジ以外の調理方法を試したことがない。ところが……


よく見ると、レンジ調理とは別に「フライパン調理」の方法が書かれている商品も少なからず存在する。これは長年の疑問だった。

温めるだけで食べられるのが冷凍パスタの最大の利点なのに、わざわざフライパンを使う意味はあるのかと。ラクをしたいのか? それとも手間暇かけたいのか? どっちなんだいと。


もちろん、電子レンジを持っていない人向けの可能性も考えられるが……どうにも腑に落ちない。そこで今回は、生まれて初めて「フライパンルート」を選択してみることにした。



・電子レンジ vs フライパン

使用するのは、『マ・マー THE PASTA ソテースパゲティ ナポリタン』だ。まず凍ったままの製品を透明の内袋から取り出し、フライパンに入れる(油不要)。その上に水100mlを注ぎ……


フタをして強火で約5分加熱する。


今回は比較のため、同じ商品を電子レンジでも調理する。600wで4分40秒なので、時間的にそれほど大きな違いはないようだ。


5分経ったら……


よく混ぜて完成である!


左がレンジ調理、右がフライパン調理。

・違いはあるのか?

画像では伝わりにくいかもしれないが、フライパン調理の方が、より立体感のある仕上がり……になっているような気がしないでもない。


ではまずレンジ調理から。


うん、いつもの味だ。安定の味わいである。


続いてフライパン調理。さすがに大差ないのでは……と思いきや。驚くことに、これがけっこう違った。



・意外な結果

もちろん基本的な味付けは同じなのだが、レンジ調理が紛れもなく既製品そのものであるのに対し、フライパン調理にはどこか手作りのような温かみが宿っている。まさに喫茶店のナポリタンの味である。


水を注いで加熱したからか、フライパン調理の方が麺がやや太く、柔らかく感じられるのも面白い。アルデンテとは言い難いものの、それがまた喫茶店を彷彿とさせる風情ある味わいを醸し出しているのだ。

また、一緒に食べ比べた妻は「フライパン調理の方がトマトの甘みが強い」と話していた。おそらくこれも加熱による効果だろう。


たとえ冷凍食品でも、人の手を経由することで、まるで血が通ったかのような仕上がりになるのは実に興味深い現象であった。とりわけ、ナポリタンはフライパン調理との相性が良いように思われる。

レンジ調理の手軽さ、簡単さを考えると、フライパン調理はなかなかにハードルが高い作業ではあるが、一度やってみる価値はあると思うぞ。私もまた別の冷凍パスタで試してみるつもりだ。

執筆:あひるねこ
Photo:RocketNews24.

▼……と思ったけど、使用後のフライパン&トングを見て「やっぱりレンジでいいか」となった。